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  • SKYWARD 2019年2月号

森ひかる 自信を確信に変えて

文/佐藤双葉(編集部) 撮影/築田純
撮影場所/金沢学院大学第二体育館

多くの学生たちが集まる体育館の片隅に、彼女の姿があった。昨年11月、トランポリン世界選手権のシンクロナイズド※で日本女子初となる金メダルを獲得した森選手。だが、大会の約2週間前にペアを急遽変更するアクシデントに見舞われた。「ポジティブに考えるしかないと思って、目標の金メダルに向けて、皆の想いを背負って跳びました」

さぞかしプレッシャーを感じたのかと思いきや、緊張せずにいい演技ができた、と言うから、その強心臓ぶりに驚かされる。

そんな彼女がトランポリンに出合ったのは4歳の頃。地元のスーパーの屋上に、1回7分間跳べるコーナーがあった。「飽きっぽい私が楽しくてハマって、7分じゃ足りなくて、地域のクラブに入りました」。その後、みるみる頭角を現し、14歳の時、全日本選手権史上最年少で日本一に。一見、順風満帆に思えるが、「何度もやめたいと思った」と笑う。「ケガをした時は『もう跳びたくない』って思うんですけど、トランポリンの上を歩くだけでも楽しくて。フワフワ跳ねる感じとか、日常では味わえない感覚が大好きなんです」

トランポリンに魅せられた彼女が目指すのは、もちろん東京オリンピック。「いろいろな大会に出ることで自信がついて、演技だけでなく、気持ちの持っていき方や休養の取り方なども、次第にコントロールできるようになりました。ただオリンピックは個人競技だけ。小さい頃からの夢の舞台に向けて、後悔なくできるだけのことをしたいです」と力強いまなざしを向けた森選手。

2020年、東京で誰よりも華麗に宙を舞う姿に期待したい。

※2人編成のチームで、平行に置かれた2台のトランポリンの上で同時に同じ競技を行なって競う

森ひかる(もり ひかる)1999年、東京都生まれ。金沢学院大学クラブ所属。4歳からトランポリンを始め、2008年の全日本ジュニア選手権低学年の部、'11年の世界選手権11~12歳の部で優勝。'13年には全日本選手権で初の日本一に。金沢学院高校時代は、全国高校選手権の個人、団体、シンクロナイズドで2年連続3冠。'18年の世界選手権では並みいる強豪選手のなか、個人5位に。

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