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  • SKYWARD 2018年6月号

植草歩 空手の理想形をチームで追求

文/中島亮 撮影/野口博

「仲間がいなかったら空手は続けていない」

2020年東京五輪の正式種目になり、注目を集める空手界のエース。全日本選手権を3連覇し、2016年の世界選手権で優勝した絶対女王も、空手から逃げ出したくなったことがある。燃え尽き症候群になった大学1年生の時や、リオデジャネイロ五輪で空手が正式種目とならなかった時など、引退を考えた瞬間は何度もある。だが、その度に先輩や後輩、師範、コーチらが支えてくれた。

「今もフィジカルトレーナー、メンタルトレーナー、栄養士など、多くの人が私をサポートしてくれています。一人だったら挫けてしまいそうな練習にも、〝チームあゆみ”としてなら取り組むことができるんです」
さまざまな人のサポートがあり、世界女王となった今、追われる者としてのプレッシャーはないのだろうか。

「私の空手の内容は、まだ課題ばかり。それをどう克服していくかで頭がいっぱいなので、プレッシャーを感じている暇はないですね」

本人も自覚しているように、最大の武器である中段突きは相手に研究され、容易には決まらないだろう。喫緊の課題は、中段突きをさらに生かすための蹴り技の強化だという。

「東京五輪では、自分が追い求める空手の理想形を披露できれば最高ですね。そうすれば金メダルはついてくると思います」

女王の座を守るのではない。さらなる高みを志す攻めの姿勢で、女王は東京を目指す。

植草歩(うえくさ あゆみ) 1992年、千葉県生まれ。JAL 所属。組手、68㎏超級。柏日体高等学校(現:日本体育大学柏高等学校)3年時に「全国高等学校総合体育大会」女子個人組手で3位、「国民体育大会」で優勝という成績を収める。その後進学した帝京大学では、1年時から日本代表に選出。「全日本選手権」3連覇、「世界学生選手権」優勝、「KARATE1プレミアリーグ年間チャンピオン」など、獲得したタイトルは多数。

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